鋭いK2の白壁


イスラマハード(パキスタン)を飛ひ立つと、間もなくカラコルムの雪山か眼下に眺められる。直下には、ナンガ・パルバット(8125m)の雄大な峰が広がっている。
遠方にひときわ聳えているのは、K2(8611m)だ。エベレストに次ぐ世界第二の高峰は、鋭い白銀の峰を輝かせている。その近寄り難いほど険峻な白壁は、かつては偉大な探検家の名を取って、コドウィン・オースティンとの名で呼はれていた。
機内の小窓から眺めるK2の雄姿は、何度も写真で見ていたので、山を見て直ぐに見分けられた。念のためにパーサーに確認すると、「K2」と言いつつ、大きく頷いた。
前回のパキスタンの旅の折は、厚い雲に覆われていて見られなかった。今回は、雲はあるもののはっきりとK2の山容が見られて幸運だった。
実は、日本へ戻る方向の右側の席でないと、機内の小窓からのK2が見られないのだ。そのために、見易い席を確保するために、眼い目を捺りつつ、早朝より空港で並んで関取合戦をするのが通例となっている。わたしは小窓からK2を眺めつつ、「早起きした甲斐があった」と、ニンマリとした。




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