朝日に輝くラカポシ峰


インダス河と別れて、西側から流れ込んでくるギルギット川に沿って、カラコルム・ハイウェー(パキスタン)を進む。
前方のドバーニ(6134m)やハラモシ(7406m)の山々の後方に、カラコルムの秀峰・ラカポシ(7788m)が見え始めた。その純白の壁は、異様なまでに迫ってくる。
1958年にイギリスとパキスタンの合同隊によって初登頂された「白い衣装」との異名のラカポシ峰。その名の通り、抜けるような青空に頂を突き上けて、純白の光を放っていた。
その日の宿となった瀟洒な造りの「Sロッジ」は、近くにあった。
翌日、東雲の空が白み始めてくるころ、部屋のテラスに出た。正面に、巨大なシルエットとなっていたラカポシ峰が、朝日に合わせるかのように、しだいにその姿を現してきた。純白の白壁から、鋭鋒の冷気が伝わってくるようだ。
氷壁に朝日を受けたラカポシ峰が、オレンジ色から黄金色に衣更えをしていく光景は、実に神秘的な姿だった。




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