カジュラーホーの寺院群

朝食後ホテルを発って、バスでカジュラーホー寺院へと向かう。雲ひとつ無く、空はすっきりと晴れ渡っていた。沿道には、木々の緑が鮮やかな家々が続いている。
一昨日は夜行列車で移動したので、熟睡できなかった。しかし昨夜は、寝酒を呑んで泥のように眠れた。フライド・エッグやベーコンの朝食もたっぷり食べ、焼きたてのナンも旨かった。体調は、万全である。



ホテルから僅か15分ほどで、寺院近くの駐車場に着いた。早朝というのに、観光客で賑わっている。それを狙って、物売りのニイチャンが次々と寄ってきた。あまりにも、しつこく付き纏ってくるので無視しているが、わたしの足はしぜんに早になってきた。境内に入ると、物売りは入れない。彼らは、不服そうな顔をして散っていった。
木の間越しに、ヒンドゥ寺院の建物が見え隠れする。それはまるで、高い峰が続いているように見える。このカジュラーホー寺院は、エロチックな彫刻が刻まれているので有名だ。寺院の壁面には、天女像や男女交合像である、ミトゥナ像で埋められている。


わたしは、10年ほど前にこの寺院を訪れたことがあるので、建物の配置は、おおよそ頭に入っている。寺院を巡っていて雷を伴ったスコールに合い、傘を差していてもずぶ濡れになったことを思い出した。
この寺院を大別すると、西群と東群、南群の3つの地域に分けることができる。先ずは、規模が大きくてミトゥナ像のある、西群より巡る。
西群の主な寺院は、ラクシュマナ寺院と、マタンゲーシュワラ寺院、カンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院、それにデーヴィー・ジャグダンベ寺院の4つである。


入口の正面にあるのが、ラクシュマナ寺院である。主寺院を囲むようにして、基壇の4隅に小さな寺院を従えている。
10世紀半ばに建立され、寺院全体と四方に祠堂を配する、五堂形式をとった寺院だ。これは、チャンデーラ朝の寺院建築の特徴でもある。基壇部分は、往時の戦争や狩猟、行列の様子が刻まれている。



HOME